コラム COLUMN
フィラリア予防は犬だけでなく猫にも必要?予防にはどんな薬がある?
こんにちは。
神戸市西鈴蘭台駅より徒歩10分の「市田動物病院」です。
ようやく春の日差しが感じられるようになりましたね。
「そろそろフィラリアに気をつけなくては」とお考えの飼い主様もいらっしゃるのではないでしょうか。
フィラリア症は、犬はもちろん猫も注意しましょう。
今回は犬・猫のフィラリア症について、また適切な予防方法をご紹介します。
フィラリア症とは?猫は検査で発見することが困難
フィラリア症(犬糸状虫症)とは、寄生虫の1種であるフィラリアが、蚊を媒介して動物の血管や心臓に寄生する病気です。
(出典:環境省「人と動物の共通感染症に関するガイドライン」P.54犬糸状虫症より)
感染すると、咳、呼吸困難、嘔吐、食欲減退などの症状が現れ、より進行すると血尿が出たり、腹水が溜まったりします。
犬に比べて猫は、フィラリアへの抵抗力が強いといわれています。
中には「うちは室内飼いだから大丈夫では」とお考えの方もいるかもしれません。
しかし、蚊は室内でも容易に侵入できます。
さらに、今は室内が冷暖房などの使用で、人間や動物だけでなく蚊にとっても過ごしやすい環境であるといえます。
では、動物が蚊に刺されてフィラリアが体内に侵入すると、どうなるのでしょうか。
犬の場合は、肺動脈や心臓に寄生したフィラリアの成虫が症状を引き起こします。
一方で猫の場合は、フィラリアの成虫・幼虫両方が悪い影響を与えることがわかってきました。
というのも、猫の血管内ではフィラリアの幼虫のほとんどが死滅するため、その結果「急性炎症反応」が起こり、咳や呼吸器の障害(犬糸状虫随伴呼吸器疾患【通称HARD】に至ることもあるからです。
また、生き残ったフィラリアの成虫が死滅すると、急性肺障害や突然死を招くことも。
さらに、猫のフィラリアは検出しづらく発見が非常に難しいため、見逃されることも多いのが現状です。
しかし、フィラリア症は予防さえきちんとしていれば防げる病気です。
適切な予防を行って、大切な家族の命を守りましょう。
どんな予防薬がある?予防は投薬スケジュールを守ることが大事です
フィラリアの予防薬にはワクチン、飲み薬、スポット(点滴)などがあり、どれを選べばよいか分からない方もいらっしゃるかと存じます。
まずは、動物病院でご相談ください。
これらは「予防薬」と呼ばれていますが、蚊に刺されることを防ぐことはできません。
厳密には、体内に入ったフィラリア幼虫を「駆虫」できる効果があります。
大切なのは、投薬スケジュールをきちんと守っていただくことです。
その理由は、予防薬は皮下組織に存在するフィラリアには効果がありますが、血管に侵入したフィラリアには効かないためです。
動物が蚊に刺された後、フィラリアの幼虫が皮下組織から血管内に侵入するまでの期間は約2ヶ月といわれています。
1ヶ月タイプなどのお薬を使用している方は、この期間の間に必ず投薬を行いましょう。
また、最近の気候変動により蚊の生存期間が延びているため、フィラリア予防は1年中行うことが推奨されています。
神戸市北区の市田動物病院では、フィラリアの予防接種をはじめ、各種予防ワクチンを行っております。
犬や猫の健康管理でお悩みのことがあれば、お気軽にご相談ください。
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